教会からのお知らせ

もう一つのしるし ヨハネの黙示録第一五章

 「わたしはまた、天にもう一つの大きな驚くべきしるしを見た」と始められています。「もう一つのしるし」と言われているのは一二章に「天に大きなしるしが現れた」ことが記されているからです。その内容は、女が産み落とす子を食い尽そうとする竜、教会に襲いかかるサタンのしるしでした。そして今、もう一つあらわされた天のしるしは、神の最後的な審判、最後の七つの災いを携えている七人の天使の姿でした。

 そしてまた見たのは「ガラスの海」の岸辺に立って、モーセの歌と小羊の歌を歌っている、迫害する獣ら敵対者に勝利した者たちの姿でした。「ガラスの海」は四章で天の玉座の前に広がっていたのを見ていました。ここで火が混じったとあるのは雷のきらめきでしょう。近づいた大審判を表すような稲妻がこの海に反射しています。

 四章の海の前では二四人の長老が主を礼拝していました。そして今、勝利した聖徒たちが神の竪琴を手にし、神の裁きを賛美して歌っているのです。勝利した聖徒たちが凱歌をあげているのです。

 「しるし」というのは、やがて地上に起こることが、そのしるしとして天にまず現れるものです。地上ではいまだ獣が猛威をふるっています。暴虐な支配者の力には誰も太刀打ちできないように見えています。ヨハネは、それによっても滅ぼされず、かえってサタンに打ち勝った者がいることを見ています。どんなにこの世が暗くても、ついには神の支配が完成されるのです。その「しるし」がすでに天には現れているのです。

 聖徒たちが歌っていたのは「モーセの歌と小羊の歌」でした。これは二つの歌ではなく、一つの歌です。モーセは言うまでもなく出エジプトの指導者です。かつてイスラエルの民がモーセに率いられて紅海を渡った後、主を賛美して歌った(出エ一五章)と同じように、小羊(キリスト)によって解放された者たちは、裁きにおいて示された神の御業をほめたたえるのです。モーセに率いられたイスラエルの民は、後ろからは迫ってくるエジプトの大軍、前は海、進退窮まった状態に追い込まれました。しかし、神の御言葉に完全に従うことによって救いが開かれ、神の御業を賛美することが出来たのです。私たちも神の御言葉に従ってエジプトを出て行けば、今も神は海を二つに分け、マナを降らせていただけるのです。そこで私たちが歌うのは、自分の武勲や勲功ではなく、神の御業の偉大さ、正しさ、真実さを褒め称える歌ではないでしょうか。

 その後ヨハネが見たものは、天にある証しの幕屋から出てくる七人の天使の姿でした。この天使が神の怒りが盛られた七つの金の鉢を受け取りました。

 

愛澤 豊重

(菊名 2017年2月号  No.17掲載)