教会からのお知らせ

災いの来る前に  ヨハネの黙示録第八章

 七つの封印で封じられていた巻物の最後の封印、第七の封印が開かれると、神の御前に七人の天使が登場し、彼らにはそれぞれラッパが与えられます。第一の天使がラッパを吹くと、血の混じった雹と火が現れ、地上に投げ入れられます。すると地上の三分の一が焼けてしまいました。次に第二の天使がラッパを吹くと、大きな山のような火の塊が投げ入れられ、海の三分の一が生き物や船もろとも破壊されました。第三の天使がラッパを吹くと、燃える大きな星が落ちてきて、川の三分の一が破壊されました。第四の天使がラッパを吹くと、太陽の三分の一、月の三分の一、星の三分の一が損なわれ、それによって昼も夜も光が三分の一だけ暗くなってしまいました。

 この四つの災いは、しかし、三分の一がというように、最終的なものではありませんでした。神がこの地上に下される裁きの入り口に過ぎないものでした。この後の三つの大きな災いがいよいよ始まることの予告でした。そのしるしに、一羽の鷲が空高く飛びながら大声で告げています。「不幸だ、不幸だ、不幸だ、地上に住む者たち。なお三人の天使が吹こうとしているラッパの響きのゆえに。」

 そのようなラッパが響き渡る前に、「天は半時間ほど沈黙に包まれた」とありました。この静寂、それは嵐の前に静けさだったのでしょうか。この沈黙は私たちに何を示しているのでしょうか。

 もう一人の天使が現れます。この天使は金の香炉をもって祭壇の傍に立っています。立ちのぼる香は聖なる者の祈りです。「香の煙は、天使の手から、聖なる者たちの祈りと共に神の御前へ立ちのぼった」とあります。天の静けさ、それは地からの祈りを神が聞くための静寂だったのです。地上で苦しむ教会の祈りが、信じる聖徒の祈りが神の耳に届けられるのです。そしてこの時はまた、私たちも神の御声を聞く時なのです。現代の私たちは情報の洪水の中にいます。電車の座席にいる人は皆スマホの画面に見入っています。そんなに欠かせない情報なのでしょうか。私たちは洪水のような情報の中で、神の御声を静かに聞き取らなければなりません。

 それから天使は香炉に祭壇の火を満たして、地に投げつけました。雷、稲妻、地震、それは祈りへの応答としての神の裁きの開始でした。神がこの世界を支配し、最後にはこの世界を正義によって裁かれることの表れでした。

 しかしその前に沈黙の時が与えられているのです。それは私たち罪人が悔い改めて神に立ち返ることを待っておられる時なのです。今こそ、信じるチャンスです。この最後のチャンスに、神の救いに与り、神に立ち返るときなのです。

 

愛澤 豊重

(菊名 2016年7月号  No.10掲載)