教会からのお知らせ
神の刻印を押された者 ヨハネの黙示録第七章
第六の封印を開いたとき、怒りの大いなる日が来ました。「誰がそれに耐えられるであろうか」というほどの恐怖のどん底に叩き落されます。そのときキリスト信徒たちはどうなるのでしょうか。第七章は、信徒たちはいったいどうなるのか、どのような将来が約束されているかを明らかにしています。
四人の天使たちは強風が吹きつけるのをしっかりと抑えこみ、その間に別の天使が、神の僕たちの額に神の刻印を押します。その刻印を押された者は、神の所有であることを宣言され、誰もこれに危害を与えることは許されないとの、所有者の固い意思が表明されるのです。そしてその人数はイスラエルの子らの全部族から十四万四千人だと言います。それはイスラエル十二部族から各一万二千人ずつということでありました。
この十四万四千人という数字は象徴的な意味合いを込めた言葉でしょう。原語では「一百四十四千」となっています。一百四十四は十二×十二です。旧約の十二部族と新約の十二使徒に代表される全時代を通じての神の民、全キリスト信者を表しています。しかも十二は完全数ですので、完全なイスラエル、イエス・キリストの信徒の群(教会)こそ真のイスラエルであり、完全なイスラエル十二部族だのだと主張しているのです。この十四万四千という数字はおびただしいくらいに多数だという意味を持っています。しかし、限りがあるという意味にも取ることが出来ます。誰でも救いに与るようにと招かれていても、救いから外されるものがあるということです。だからこそ、その数に含まれる者は幸いなのです。十四万四千人というのは全時代の全キリスト信者だとすれば、私たち一人一人の額にも救いの神の証印が押されているのです。
後半では、天上の玉座の前に集まる大群衆が見えます。そして自分たちを救ったのは神と小羊に他なりませんと大声で賛美しています。この大群衆は十四万四千人の人たちと同じです。前半では地上でキリスト者であるが故に苦難を通ってきた地上の神の民を示し、後半はその神の民が凱旋した天上界での様子を示しています。その人々は「あらゆる国民、種族、民族、言葉の違う民から集まった」大群衆です。かつてのイスラエル十二部族は、みな一人の先祖ヤコブの子孫として、その起源を同じくした一族でした。しかし、それぞれが特色を持ち、個性豊かでありました。それと同じく真のイスラエルである教会も、一人の主イエス・キリストによって生まれた兄弟でありながら、国により、文化により、信仰の表現により、それぞれが個性豊かな者となっています。違いがあっても兄弟姉妹なのです。
愛澤 豊重
(菊名 2016年6月号 No.9掲載)