園長だより

園長だより2016年9月

この夏、子どもたちはどんな日々を過ごしてきたでしょう。 どこかで自然を体感することができたでしょうか。こんがりと焼けて元気な顔を見せてくれた子どももあります。 毎日通う身近な場所で自然に触れていた子どもたちもあったと思います。

 

 

都会のアスファルトの道、 おとなにとっては目的地へと足早に通り過ぎるだけの 道かもしれません。しかし、子どもはアスファルトの端に生える雑草に目をとめ、 そこにいる小さな虫を見つけます。 立ち止まって、様々なものへ興味をそそられます。 散歩に出かけると、大切な宝物を見つけ、石や菓っぱを握りしめて帰ってくることが あります。きっと特別な色や形に見えたのでしょう。子どもの周囲には、たくさんの 宝物があちらこちらにあるのです。それを発見することが楽しみのひとつです。


子どものその感覚に共感してあげることによって、 その不思議な感性はさらに研ぎ澄まされて、新たな発見が生まれます。おとなに見えないものが、子どもには見えるのです。また、子どもにしか聞こえない音があるのです。 自然は、その子どもの感受 性をさらに磨き、 心を豊かにしてくれます。 乳幼児期に得た感性は、将来、さらに好奇心や知恵、知力を高めていく士台となると確信しています。


自然の神秘は計り知れないものがあります。 とても理屈では説明のできない美しさがあり、摂理があることを子どもたちに感じてほしいと願っています。そのためには、子どもの感動に共感し、 その思いを真剣に受け止めていくことから始まるのではない でしょうか。

金田みどり