園長だより

園長だより2017年5月号

新入園児にとって、新しい環境は不安でいっぱいです。わたしの居場所を一生懸命探しています。お父さんお母さんから離れたくない、置いていかないで、誰に助けを求めればいいの、と泣いて訴えていました。

進級児にとって、すこし先輩であっても新しい環境であることは同じです。初めて出会う先生やお友達の様子をしっかりと観察しながらこころを少しづつ開いていく姿がありました。

園庭の桜の花びらが舞う頃、子どもたちは歓喜の声を上げていました。桜は今ではすっかり緑の若葉が茂っています。砂場や滑り台、雲梯で遊ぶ子どもたちは笑顔と笑い声で溢れるようになりました。

一日の体験は言葉では言い尽くせないほどの感動や感情がいっぱい詰まっています。悲しいことも嬉しいことも悔しいこと我慢したこともあるでしょう。また今日初めてできたこと、新しい発見もあったかもしれません。その思いに寄り添い、共感することによって子どもは安心して眠りにつくことができるのではないでしょうか。

「あなたこそ たからもの」という絵本があります。ひとりひとりのかけがえのないいのちと心を尊重することの大切さを、わかりやすくかわいい絵で伝えています。

大人も子どもも生きる権利を持っています。お互いに侵害することなく、平和で豊かな社会を築いていくことは子どもたちに対する大人の責任であると考えています。    

 

金田みどり