園長だより

園長だより2017年3月号

『世界の果ての通学路』は2013年にフランスで制作されたドキュメンタリー映画です。

世界でそれぞれの生活環境の違う子どもたち4人が主役。

ケニアで野生動物の危険や武装したギャングの襲撃を避けながら、2時間走り続けて学校に通う兄と妹。

アンデス山脈の羊飼いの家に生まれた少年は、幼い妹と二人で馬に乗って学校に通っています。大人になったら、地元で獣医になりたいという。

モロッコの少女3人は月曜日の夜明けと共に片道4時間の道のりを歩いて学校に向かいます。全寮制で金曜日には同じ道を歩いて帰宅します。

インドの漁村で生まれた少年は未熟児で生まれ、歩くことができません。車いすを押すのは弟2人。片道4kmのでこぼこ道で車輪が外れたり川にはまったりしながら、毎日兄を学校まで送る3人の姿は絶え間なく笑いがあります。この映画を見た時の爽やかな感動が忘れられません。大自然と、どんなに道が険しくてもひたすら学校に向かって歩き続ける子どもたち、そして見送る家族の祈る姿がありました。

きく組はもうすぐ小学校1年生。学校への期待と夢、同時に不安もあるでしょう。子どもたちが未知のものへ向かっていく時、そこには大きな成長があるのです。勇気をもって困難を乗り越えて進んで行ってほしいと心から願っています。子どもたちを支えているご家族に、神さまの恵みと祝福がありますようにお祈りいたします。

金田みどり