園長だより

園長だより2017年2月

冬の朝、愛児園に向かう綱島街道を歩きながら、私は毎日最高の 景色を楽しんでいる。左手に裾野を伸ばした富士山と箱根、大山、丹沢の 峰々、そして時には真っ白な南アルプス、秩父連山が眺められる。

何と贅沢な時を、独り占めしているのだろうかと思いながら歩いている。特に冬の澄んだ青空にくっきりと山肌まで見える日はしばらくたたずんでしまう。そして、自然を感じられることに感謝し豊かな気持ちになる。

子どもは遠い景色を眺めるよりも、肌で感じることを喜ぶ。

いもとようこさんの「て ぶくろ」という絵本がある。淡くほっこりする、うさぎのみみたんのお話。

「寒い雪の日、てぶくろを持っていない みみたんがおねえちゃんに言いました。
『手がつめたいよう~。てぶくろをかして~、もうかたほうもかし て~』
そこでおねえちゃんは、みみたんの手をにぎっていいました。
『こう して手をつなげば あったかいでしょ!』
そのうちにおばあさんに会って手をつなぎ、集ってきたたくさんの動物たちとも手をつないで言いました。
『あったかいね、世界中のみんなが手をつなげば、てぶくろはいらないの よ!』
おねえちゃんとみみたんの話を聞きながら、おばあさんのこころは ぽっかぽかでした。」

子どもたちは手をつなぎ、肌が触れ合うことで安心し、ぬくもりを感じることで心が育っていく。

どこの国の人も本当は手をつなぎ、平和を求めていると信じていきたい。

金田みどり